公開日:2021-03-30 最終更新日:2021-03-30

ふたばで子育てする人のリアルボイス #003│浪江町Kさん・Mさん夫婦

双葉郡で子育てする人たちが普段どのように暮らし、子育てしているのか。「本当のところ、双葉郡で子育てするってどう?!」という疑問の声にこたえる「ふたばで子育てする人のリアルボイス」。浪江町は2017年3月31日に帰還困難区域を除いて一部地域で避難指示が解除されました。解除から4年経ち、少しずつ地域の営みが再開し子どもたちの声も聞こえるようになってきました。今回、お話を聞いたのは、一部避難指示解除された2017年から町に住んでいるKさん、Mさんご家族です

ー今日はどうぞよろしくお願いいたします!さっそく浪江町での子育てについて質問したいと思います。まずお二人は相双地域出身とのことですが、浪江町に戻ってきたきっかけは何ですか?

Mさん(妻):私が南相馬市出身、夫が浪江町出身で、お互い同じ浪江町の職場で働いていました。夫は震災前から働いていて、私は震災後に入社し、職場で出会いました。2017年11月に結婚して、2018年に長男を出産しました。2017年に職場の拠点が避難先の二本松市から浪江町に戻ったタイミングで、私たちも浪江町に住むようになりました。

Kさん(夫):浪江に戻れるとなったときに、自分の仕事上、職場近くに住むことが大事でした。浪江以外のところに住む理由がなかったので、町内に家を建てて住んでいます。

ー浪江町で暮らすことに不安はありませんでしたか?

Mさん(妻):特になかったです。放射能のこともそれほど気にしていなかったし、なにより旦那が地元愛に溢れていたので。

ー浪江町での生活も特に不安もなく、ということですか?

Mさん(妻):そうですね、住んでいての不安はありません。夫のご両親も浪江に戻っていて、ご両親が浪江で育てた野菜をいただいて食べることもあるし、水道水も検査していて数値的に問題ないので、普段から使用しています。 

不安があるとしたら、子どもの同級生が少ないことでしょうか。大人数でもまれた方が子どもの成長にとっていいのかな、と考えることもあります。

あと、長男の体力が有り余っているのでもっと遊ばせたいな……と思うことがあります。

さまざまな工夫で子どもの遊び時間を見つける

ー遊びはどうしていますか?

Mさん(妻):自宅の庭で遊んだり、こども園の園庭開放日に遊びに行ったり、小中学校の遊具を使わせてもらって遊んでいます。町内に遊べる公園がないので、南相馬市・小高にある交流センターや市内の公園、原町にあるジャスモールのカフェなどに行くこともあります。南相馬くらいなら距離的に遠くないので、よく遊びに行きます。

※浪江町から小高は車で約15分、原町は車で約30分

ーサロンなどにはよく行かれますか?

Mさん(妻):平日は子どもと私の3人の時間になるので、上の子に同世代の子どもと関わらせたくてよく行きます。浪江町主催の「ぽかぽかテラス」や「かもめっ子クラブ」に行ったり、たまに南相馬の子育て支援センターのイベントに参加したりしています。自分でサロンやイベントを広報誌やネットなどで調べています。

最近の子どものお気に入りは「図鑑」です。散歩中に見つける虫に興味を持ち初めてから買ってあげた「むし図鑑」ですが、あっという間にハマって読んでくれています。恐竜と食べ物の図鑑と一緒に寝る前の読書タイムに見るのが日課です。

お気に入りの図鑑 (Mさん提供)

ー子ども達の成長で楽しみなことは何ですか?

Mさん(妻):子どもたちが、何か一つでもできることが増えると嬉しい。ハイハイできた、とか、つかまり立ちができた、とか……。

あと、これから2人の息子がどんな兄弟になるのかが楽しみです!

コロナ禍での出産と子育て

ー最近ですとコロナ禍でおでかけが制限されることも多いですが、影響はありましたか?

Mさん(妻):第二子妊娠中にコロナの感染拡大が始まり、あまり外に出ない方がいいと言われてストレスでした。出産の立ち会いも、生まれてから退院するまで夫や両親に面会することもできませんでした。でも、日常生活に影響はなかったし、夫の仕事もあまり変わりませんでした。飲み会は減ったので、早く家に帰る日が増えたのはありがたいです。

ーお買い物や病院はどのようにされていますか?

Mさん(妻):休日のお買い物は主に南相馬で済ませています。夫がいるときは、お散歩がてら町内にできた道の駅でお買い物することもありますね。

町内に小児科がないので、南相馬の病院がかかりつけです。病院の近くに私の実家があるので、安心です。

ー賑やかなKさん、Mさんご家族の浪江での暮らしぶりについて聞くことができて楽しかったです。ありがとうございました!


浪江にじいろこども園 園庭開放についてはこちら

取材日 :2021年1月
取材・文:SATOMI
イラスト:KUMA DESIGN WORKS

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