2021年度「冒険ひろば@双葉郡」スタート! 冒険ひろばとは?
コトハナ編集部です。気づけばもう9月。今年ももう半分以上が過ぎた思うと驚きです。コロナウイルス感染症流行の影響も少なくなかった2021年上半期、皆さんはどのように過ごされましたか。そして下半期はどのように過ごしていますか。
子育て応援コミュニティcotohanaは2021年度、新しい挑戦が盛りだくさん。前回はこの春からスタートした事業「ままカフェ@双葉郡」についてご案内しました。
今回は今年度スタートしたもうひとつの事業「冒険ひろば@双葉郡」の取り組みについて、活動レポートとともにご紹介します。
「冒険ひろば」とは!?
ズバリ、“禁止事項をできるだけなくし、「自らの責任で自由に遊ぶ」ことを原則に、人や自然との関わりの中で自由な発想で遊ぶことができる場所” です。
子ども達の遊びを見守る際、「○○だから、ダメ」「△△はしないで」と注意した経験はありませんか。
もちろん、もちろん、危険を遠ざけるための言葉かけは必要です。
一方で、遊びの中で子どもが怪我をする・させることに対する過度な危機意識などから禁止事項が増え、自由な空間が減っているようにも思います。
「危険だから冒険させない」を、「子どもの創造性・主体性を大切にしながら、挑戦・冒険を歓迎」にできたらいいのでは。そのような思いから、成長に応じた安全に関する配慮を行うことで、野外で自由に思い切り遊べる環境づくりをする、それが冒険ひろばです。
やってみたよ、冒険ひろば! 第1回目の様子をレポートします!
迎えた、第1回目の「冒険ひろば@双葉郡」の日。予報に反して雨はなく、お天気は曇り空。外遊びするにはちょうど良い環境だったように思います。
冒険ひろばの会場は、双葉郡富岡町内にこの春新しく整備された「太田公園」。震災と原発事故を乗り越えて、この場所にまた多くの人が集まれるように…… との思いが込められて整備された場所です。
この日準備していた遊具は、ボール、フリスビー、大縄跳び、シャボン玉などのほか、お絵かき用の黒板、木工用の木材と工具、焚き火セット…… などなど。みんなは何があったらわくわくするかな、と考えながら、張り切って準備しました。
そして「参加者は集まるのか!?」と内心ドキドキしていたスタッフ陣。
そこに、自転車で現れたふたりのボーイズ。公園に到着したものの、受付はせず遊具で遊びはじめました。あれ、単に公園に遊びに来ただけかな……。 けれども、チラチラ目があうふたりに、意を決して(おいでおいで!)と手招きしてみる。すると、お、近寄ってきてくれた! 「今日は、冒険ひろばに来てくれたの?」
「はい!!」「学校で(チラシが)配られたから!!」と・・! (スタッフ感涙)
聞くと、近隣の学校に通う小学生でした。
普段のお休みは何しているの? などスタッフともお話ししながら、午前中いっぱいボール遊びや木工などを楽しんでいました。
その後も続々と参加者が来場してくださり、賑やかな時間がスタートしました。
来場してくださった方はなんと40名超。思い思いに遊びを楽しみました。
例えば、シャボン玉づくり。中性洗剤に、割れにくいようにと砂糖を入れてシャボン液を調合するところから挑戦。簡単につくれるだろうというスタッフの甘い考えをよそに、なんと、何度やってもうまく膨らまないのです。うまくいくまでみんなでアアでもないコウでもないと相談しながら実験を繰り返しました。
こちらは木工の様子。小学生は木材を使ってもくもくと制作していました。用意した木材はすべて福島県産。木のいい香りがしました。実がついているものもあり、「これ食べれるかな?」と顔の近くにもっていく子も。
次に、子ども・大人問わずおおいに盛り上がっていたのは、絵しりとり。
黒板に順番に絵を描き、言葉を使わずにしりとりを繋げていくゲームなのですが。「この絵、何!? わかんないよぉ(大笑い)」「あーー、わかった! (ニヤリ)」「(目配せしながら)きっと、これだよね?」のように、実にたくさんのコミュニケーションが生まれていました。
そのほか、ドッジボールやバドミントンなどを楽しむ様子も。でも、みんなが最も大興奮していた遊びは鬼ごっこ! ケイドロ、こおり鬼など、バリエーションも豊富。子どもも大人も混じり合って、とにかく走る!走る! からだひとつでもこんなに楽しめるんですね。
ただ……子どもってどうしてこんなにも疲れ知らずなの!? ああ〜〜〜〜からだが、もう、限界です(笑)
どうして双葉郡で冒険ひろばを開催するの? わたしたちの願い
冒険ひろばのこと、身近に感じていただけたでしょうか。
はじめて冒険ひろばを開催したこの日。子ども達が力強く遊ぶ姿に、わたし達スタッフはおおきな感動をもらいました。会場近くを走る車の中から子ども達の様子を見て、笑顔になった人もきっといるのではないかな、と思います。
震災以降、外遊びの機会が不足する地域の状況にさみしさを感じ、「子ども達が地域の中でいきいき・のびのび遊んでいる姿を見たい!」という願いからはじまったこの事業。
子ども達が自由に、自らの想像力を生かして遊ぶ姿が日常的に見られる地域を目指して。
コトハナではこれからも、地域内外のみなさんと協力しながら、子ども達の遊ぶ力を育む機会づくりを続けていきます。
冒険ひろばの取り組みは「福島県子どもの冒険ひろば設置運営業務委託事業」であり、「子どもが自然と遊ぶ楽校ネット」が主催する事業です。
文・写真:コトハナ編集部