現役ママたちに聞いてみた! 双葉郡での習い事
双葉郡で子育てする方々とお話しする中で、近年「子どもの習い事」に関する情報を求める声を多く聞くようになりました。園や学校とは異なる経験・学びを得られる機会として、利用を検討するご家族も少なくないでしょう。双葉郡ではどのような習い事があるのか、情報をどこで入手しているのか、気になりますよね。今回お話を伺ったのは、実際に習い事を利用している、楢葉町在住Nさん(自営業)と、同じく楢葉町在住のMさん(会社勤務)です。楢葉町や周辺地域ではどんな習い事があるのか、時間の管理やお子さんとの関わり方など、ライフスタイルの異なるおふたりのお話をご覧ください。
ーお子さんの年齢と、習い事を教えていただけますか?
Nさん:小学校1年生の娘、年長の息子と、2歳の息子がいます。現在は娘がシンクロ・バスケ・サッカー・ピアノを習っています。
Mさん:2歳の娘と、2月にふたり目が産まれます。習い事は、オンラインでリトミックを受講しています。
ー現在、楢葉町や近隣地域にある習い事を教えていただけますか?
Nさん:楢葉町では、『スカイアリーナ(*1)』でシンクロ・水泳、スポーツ少年団でサッカー・野球・バスケットボール・合気道・少林寺。
『Jヴィレッジ(*2)』では、学年別でサッカースクールがあります。それと、町内にECCジュニアがありますね。
広野町では、広野みかんクラブ(*3)でサッカー・体操教室などかな。町外の人も登録すれば参加できますよ。あとは個人でピアノを教えていたりとか。
Mさん:川内村では、幼児向けの水泳教室をやっていますね!(*4)

ーそんなに選択肢があるんですね! 習い事の情報はどこで得ていますか? また、何かおすすめ情報はありますか?
Nさん:なんといってもママ友の情報網ですね! 「水泳よりもシンクロのほうが水に入っている時間が長いから、水に慣れさせるには良いよ」とか、ネット検索してもわからない生の情報が得られます。
Jヴィレッジのサッカースクールは、年中~小2クラスと、小3~小6クラスに分かれています。年齢の違う子たちと触れ合える機会にもなっていて、子どもの成長にもつながっていると感じます。
学校や園が終わったら、スクール側が子どもたちのお迎えに来てくれるから、保護者はプログラムが終わってからJヴィレッジに迎えに行くだけでいい。週に2回あって、講師の質もよくて、送迎もあって、施設も整っていて、月5000円は安いと思う!
Mさん:そうなんだ! いい情報聞いた!!(笑)
ーおふたりともお仕事もされながら、習い事に合わせて時間を管理するのは大変かと思います。どのように工夫していますか?
Nさん:私は自営業なので、仕事は育児と家事の合間に行っていますね。娘は15時半〜16時半頃に学校から帰ってきます。火曜日のサッカーは18時スタートなので、帰ってきたらまず宿題を終わらせて、ご飯食べて、行くよ〜!って。終わるのはだいたい20時半〜21時で、帰ってきたらお風呂に入って寝る、という流れですね。
水曜日のピアノは、いわき市久ノ浜で16時20分〜17時と始まる時間が早いので、その日だけは宿題は後回しですね。金曜日のシンクロは21時までです。
Mさん:すごいハードスケジュール!
Nさん:送迎が大変ですが、夫が家にいるときには息子たちのお迎えをお願いしたり、協力してもらっています。近くに頼れる人がいないので家族の協力が大切! 私が疲れた時は、上の子が下の子のお世話をしてくれたり。
Mさん:私は、受講しているリトミックが月に3回、決められた曜日と時間にあるので、娘の登園時間と私の仕事の時間をずらしてもらっています。子育てに理解のある職場で助かってますね。夫と交代で仕事の都合をつけて参加しています。
ー習い事を始めたきっかけは?
Nさん:年中頃から習い事を始めた知り合いの子を見て、娘自身がやってみたいと言ったのがきっかけですね。近所のママ友からの情報で、いわきから楢葉までシンクロの先生が教えに来てくれているのを知って、習い始めました。それから、次はピアノ、そしてサッカーと。
Mさん:私自身が2歳から18歳までピアノを習っていたんですね。娘にも音楽関係の習い事をさせたいなと思っていたときに、オンラインの子育てイベントでリトミックの体験に参加したのがきっかけです。コロナ禍で人との関わりも少なくなっていたので、何か始められたらいいなって。娘がまだ小さくて移動するのも大変だったので、オンラインでの受講を決めました。
ー習い事を始めて良かったなと思うのはどんなときですか?
Nさん:本人が意欲的になった、と感じたときですかね。ピアノを習い始めた当初、先生とおしゃべりばっかりして真剣さが感じられなかったので、「もうやめたら?」って言ったんですよ。
そうしたら、やめるのが嫌だったのかそこからやる気が出てきました。習い事を通して子どもと親のコミュニーケーションがとれるという点でも、やらせていて良かったなと思います。
Mさん:娘本人が楽しんでいるので、歌と踊りが好きになるきっかけになったかなと。ずっと同じ習い事を続けていると、最初はできなかったことが徐々にできるようになってきて、目に見えて娘の成長を感じることができます。
園に預けている間は、娘がどんな様子だったかを実際に目にすることはできませんよね。だからこそ、習い事を通して、新しいことができるようになった瞬間に立ち会えるのは嬉しいですね。
ー子どものやる気を維持するのに工夫していることはありますか?
Nさん:無理をさせないことですね。1年生になってからは生活のリズムもガラッと変わって、子どもながらに大変なんだろうな、疲れてるんだろうな、と感じることもあります。
ピアノに行く途中で寝ちゃったりするから、先生と相談してピアノの宿題をなくしてもらいました。宿題があると私も、「やらせなきゃ!!」「ちゃんとやりなよ!!」って怖くなっちゃう。それだとやる気がなくなっちゃうから、本人の“楽しい”という気持ちを優先するようにしています。
Mさん:難しいですね……。私はやるならしっかりやらせたいタイプなんですよ。でも、押し付けられると嫌いになってしまうと思うので、最初の声掛けに気をつけたいかな。自主的に「やりたい!」って思ってもらえるようにサポートしていきたいです。
ー習い事に関して、何か困っていることはありますか?

Nさん:文科系の習い事が少ないことですかね。書道とか習っている子はいわきまで通っているという話を聞きます。基礎的な学力をつけるために、公文があったらいいなとも思います。
Mさん:私は自分の時間の作り方ですね。1,2歳の場合は、習い事も午前中の時間が多いので、仕事とどう両立していくかで悩みますね。会社勤めだと、園の行事も含めてなかなか都合をつけるのが難しい……。
ー地域で習い事に関してサポートなどはありますか?
Nさん:小学校に『地域学校協働センター』があるのですが、そこに講師の方に来てもらって、フラワーアレンジメントや、異文化体験でアラビア語を習ったり。牛が来て乳しぼり体験をしたりというのもありましたね。
Mさん:『みんなの交流館ならはCANvas』では、中学生から要望があって、月2回ずつ3ヶ月間、入門編のエレキギター教室をやっていますよ。
Nさん:習い事とはちょっと違うけど、これから中学校に通うようになったら部活もあるよね。やっぱり地域柄なのか、サッカーとか剣道とか、スポーツ系がほとんど。文化系がないんだよねぇ。
Mさん:文化系の部活ができるといいですよね。スポーツ苦手な子もいるだろうし。
この地域の良いところって、教育機関や学校の先生との距離が近いところだと思うんですよ。親が「ここを変えたい!」と思って相談しに行くと、ちゃんと話を聞いてくれる。
Nさん:確かに、確かに! それは私も感じてる!
Mさん:だから、私たちが動けば町も動いてくれるかもしれない。今は文化系の習い事や部活が少ないけど、これから変えていけるかもしれないという希望はあります。
Nさん:この地域のママ・パパって、結構やる気のある人が多いというか(笑)。「子どもたちのために」っていう思いが強い人が多いんです。住民主体となって、子どもの未来をつくってこう!っていう動きがある。町も、住民の声をひろってまちづくりに生かそうとしていると感じます。
Mさん:私たち親が、子どものためにまちづくりや教育に関わっていけるって、なかなかすごいことだと思います! 自分たち次第で“これから”を変えていけるんだ、作っていけるんだって実感できると、この地域で子育てして本当によかったなって思えますよね。
『スカイアリーナ(*1)』 ならはスカイアリーナ|屋内体育施設|福島県楢葉町 (naraha-skyarena.jp)
『Jヴィレッジ(*2)』 ナショナルトレーニングセンター Jヴィレッジ (j-village.jp)
広野みかんクラブ(*3) 広野みかんクラブ – スポーツで広野町を元気に! (hirono-mikan-club.com)
※習い事・スクール内容については各施設までお問い合わせください。
取材日:2022年12月
取材・文:池田 南