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悩みをシェアしてつながる、こども食堂・居場所実践者座談会

地域の中で、こどもたちやご家族がホッと息をつき、あたたかいごはんや楽しい時間を共にする「こども食堂」や「地域の居場所」。
「もっと楽しんでもらうには?」「安心して過ごせる場を続けるには?」——そんな想いを胸に活動するスタッフや代表たちに集まっていただき「こどもの居場所等実践者座談会」を開催しました。
双葉郡で活動する団体が集まり、日頃の工夫や愛ゆえの悩みをオープンに語り合ったこの日。笑顔と共感にあふれた当日の様子をお届けします。

笑い声から始まった、あたたかな時間

座談会は、「ひとつだけ嘘をつく自己紹介」というユニークなアイスブレイクからスタート。「えっ、どれが嘘!?」と互いの回答を予想し合う声があがり、会場は和やかな笑い声に包まれます。

普段は「みんなに喜んでもらえるかな」「安全に楽しく過ごせるかな」と気を配りながら現場に立つ実践者たち。この日ばかりはふっと肩の力を抜き、それぞれの居場所に対する想いを共有する時間が動き出しました。

今回の座談会のファシリテーターは、郡山市を中心に活動している「特定非営利活動法人こおりやま子ども若者ネットワーク」」の鈴木さん。実践者たちが話しやすい雰囲気づくりをサポートいただきました。

みんなの「おいしい!楽しい!」をつくる知恵

各団体からの実践共有で語られたのは、来てくれる人たちの笑顔を思い浮かべて生まれる、気持ちのこもったリアルな工夫の数々。

川内村で活動する「ミラデザDiningハピもぐ」は、子育て世代が中心となって運営しています。みんなで献立を考えたりLINEでアイデアを出し合ったりしながら、楽しく活動を継続中。さらに、地元の飲食店がお弁当や野菜を提供してくれるなど、地域全体でこどもたちを支えるあたたかい輪も広がっています。習い事がない川内村で「こどもたちが楽しみながら学べる機会(Play time)をどう作るか」、冬季の開催においては、「寒い季節の調理現場をどう工夫するか」など、現場ならではの等身大の悩みも共有されました。

富岡町で活動する「とみおかこども食堂」では、月1回の食堂開催のほか、盆踊り練習会や餅つきといった季節ごとのイベントも大人気。こどもからお年寄りまで誰もが混ざり合える場を目指し、「実行委員、運営サポーター 」と役割を丁寧に分担しながら、みんなをあたたかく迎える準備を整えています。

※「とみおかこども食堂」への伴走支援レポート

双葉町で活動する「ふたばネクストリーフ」からは、「あえて割れる食器を使うことで、物を大切にする気持ちを育む」という素敵な食育の視点や、心を込めて準備に向き合うエピソードが紹介されました。地域で採れた食材の安全にしっかり配慮しながら、家庭的な温もりを届ける工夫がぎゅっと詰まっています。

浪江町で活動する「なみとも」が運営するこどもの居場所「BASEマチナカ」では、こども食堂は実施していないものの、こどもたちが安心して家と学校以外の場所で過ごせるよう居場所を開いています。地域コミュニティづくりの一環として、地域の大人たちがこどもたちの応援団になれるよう、関係性づくりも行っています。

安心して過ごせる場所であり続けるために

実践共有のあとの対話では、全国共通のマニュアルだけでは見えてこない、「地域の中で居場所を育てるための丁寧なプロセス」に話題が広がります。

例えば、「うちは食堂の形ではないけれど、各地のこども食堂がみんなの大切な居場所になっているのは間違いない」というリスペクトの声。

「安心できる場をつくり続けるためにも、迎える側のスタッフ同士の心のサポートやケアも大切にしたい」という気づきも共有され、運営スタッフ自身が安全・安心の中で活動できる環境づくりについて大いに盛り上がりました。

地域の方々や保護者をはじめ、学校や役場など、たくさんの人々に理解され愛される場所であり続けるために。「関係するみんなと丁寧に対話を重ねること」「事前のアプローチや気配りを大切にすること」の重要性に、多くの参加者が「本当にその通りだね!」とうなずく一幕も。 「時には何に迷っているのか分からなくなるくらい、一生懸命向き合ってしまうこともある」——そんな等身大の言葉には、居場所を心から大切に想っているからこその誠実さがにじみ出ていました。

悩みも経験も、みんなの知恵に、まちを超えてつながる仲間

この座談会は、日頃ひとつの現場で奮闘する実践者たちにとって、大きな安心感を得る時間となったようです。

「同じ立場で試行錯誤している仲間がいると知れて、すごく心強かった」 

「自分が困った時にも、助け合える仲間が地域にいると思えた」

振り返りの時間には、そんな前向きな言葉が次々とあふれ出します。活動を長く続けてきた参加者からは、「これまでたくさん失敗もしてきたし、泣いたこともある。だからこそ、これから始める人にもどんどん経験を伝えたい」という言葉もありました。

「みんなで互いの活動を見に行きましょう!」と楽しそうな提案が飛び出し、「モヤモヤしていた気持ちが言葉になってスッキリした。みんなでご飯に行きたいくらい最高の気持ちです!」と笑顔が弾けます。お互いの情熱や苦労を分かち合えたことで抱えていた肩の荷が下り、明日からまた笑顔でこどもたちを迎えるためのエネルギーが充填されていた様子でした。

おわりに

こどもたちやご家族にとって、いつでも帰ってこられる「第二の家」のような場所でありたい。実践者たちはそんな願いを込めて、日々工夫を凝らし、あたたかい空間をつくっています。

そして、その温もりをずっと灯し続けるためには、運営する大人たち自身も笑顔で、つながり合っていることが何より大切。

最後は「現場に戻ってからも、お互いにできることをシェアしながら進んでいきましょう」という言葉がありました。今回の座談会をきっかけに、地域を越えた実践者同士のあたたかいネットワークが生まれました。

コトハナはこれからも、地域を照らす実践者の皆さんを応援するとともに、誰もが安心して集える居場所の輪を広げていきたいと思います。こども食堂や居場所づくりに関するご相談も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。


文・写真:コトハナ編集部