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こどもたちの“好き”が交差するサードプレイス。浪江町「BASEマチナカ」

東日本大震災後、居住人口ゼロから少しずつ新しいまちづくりが進む浪江町。この町で今、こどもたちにとっての「第3の居場所(サードプレイス)」として注目を集めている場所があるのをご存知ですか?
2025年8月に浪江町のメインストリート・新町通りにオープンした「駄菓子andこどもの居場所 BASEマチナカ」です。オープンからまもなく1年を迎える今、日々多くのこどもたちの笑顔が溢れるこの場所は、どのような想いで運営されているのでしょうか。
今回は、BASEマチナカを運営する「任意団体なみとも」の代表である小林さんにお話を伺ってきました!

「こどもたちの暮らしの交差点」とは?

JR浪江駅から歩いて10分ほどの場所にある「BASEマチナカ」。一歩足を踏み入れると、懐かしい駄菓子が並ぶ風景と、こどもたちが思い思いに過ごせる広々としたフリースペースが広がっています。

この場所のコンセプトは「こどもたちの暮らしの交差点」。

家でもない、学校でもない。ありのままの自分でいられる「みんなの居場所」を目指してスタートしました。対象となるのは、浪江町や近隣地域に住むこどもたち。利用料は無料で(※駄菓子は有料)、月曜日・金曜日・土日いずれかにオープンしています。

・宿題を持ち込んで勉強する子

・友達とゲームや遊びに熱中する子

・ただのんびりと駄菓子を選ぶ子

ここでの過ごし方に決まりはありません。人と人、遊びと学び、こどもと地域。さまざまな出会いがゆるやかに交差し、こどもたちが自分のペースで「好き」や「面白い」を見つけられるあたたかい空間が広がっています。

運営団体の代表である小林さんにインタビュー!居場所づくりのきっかけ

なぜ、浪江町にこうした「こどもの居場所」が必要だったのでしょうか。小林さんに、立ち上げの背景や日々の様子について伺いました。

ー「BASEマチナカ」をオープンしようと思ったきっかけを教えてください。

小林さん:

「浪江町は震災後に一度居住人口がゼロになり、現在も帰還された方や新しく移住された方など、多様な方々が暮らしています。少しずつ活気を取り戻している一方で、こどもたちが学校以外で安全に集まれる場所や、楽しく過ごせる資源がまだまだ不足しているという状況がありました。

私たち『なみとも』は、幅広い世代同士のつながりの場づくりを進めてきた団体です。こどもたちが安心して住み暮らせるまちにするためには、まずは彼ら自身がホッとできる『第3の居場所』が必要だと考え、2024年度から当事者のご家庭などとワークショップや意見交換を重ね、2025年8月にこの場所をオープンしました。小学生のお子さんが多いですが、ときどき中学生も顔を見せてくれます。」

ー実際にオープンしてみて、こどもたちの反応はいかがですか?
小林さん:「本当にいろんな子が来てくれます。最初は少し緊張している子も、駄菓子を選んだり、スタッフや他のこどもたちと話したりするうちに、自然と笑顔になっていきます。

みんなが安全に安心して楽しめるように場の中でのお約束事はありますが、ここでは『あれをしなさい、これをしなさい』とは言いません。宿題や自学習はサポートをしながら、基本的には自由な発想で遊びや学びを生み出せるように見守っています。学校とも家庭とも違うフラットな関係性が、こどもたちの『生きる力を育む土台』になれば嬉しいですね。今は小学生の利用が多いですが、中高生の居場所としてもニーズが出てきているので、時間や部屋を区切るなど試行錯誤を重ねている最中です。」

学校以外の居場所を求めるこどもたちにも開かれた「ありのまま」の空間 

お話の中で特に印象的だったのは、BASEマチナカが「不登校気味のこどもたちもお気軽に」と明記して門戸を開いていることです。

双葉郡は、一時避難して戻ってきた方や新しく移住してきた方が混ざり合い、新しいコミュニティを作っている途中の地域。身近に頼れる親戚がいなかったり、子育ての悩みを一人で抱え込んでしまうママやパパも少なくありません。学校に行きづらさを感じているこどもたちにとって、家以外の安心できる逃げ場や、社会とつながる窓口があることは、どれほど心強いことでしょう。

ー学校に行きづらいこどもたちにとっても、大切な場所になっていますね。
小林さん:「そうですね。保護者の方からも『ここは本人もリラックスして行けるようです』といったお声をいただくことがあります。マチナカをオープンする前のヒアリングでも、親御さんが抱える悩みの多様さが見えてきました。

浪江町だからこそ、そしてなみともだからこそできる活動として、地域コミュニティづくりのひとつの取組としてこの場所を続けていきたいと考えています。地域の大人だけでなく、国際ボランティア関係の方が訪れて交流する機会などもあるので、親や先生以外の多様な大人と関わるチャンスも多いんですよ。」

親だけが頑張らなくていい。地域でつくる「子育ての輪」

最後に、小林さんから、これからの浪江町におけるコミュニティのあり方や、地域全体で子育てを支えていくことへの温かいメッセージをいただきました。

小林さん: 「子育ては、親御さんだけで抱え込むものではありません。BASEマチナカはこどものための居場所ですが、こどもがここで多様な人と関わり、笑顔になってくれることで、結果的にお父さんやお母さんの肩の力も少し抜けたらいいなと願っています。 こどもたちを育むのは、家庭や学校だけでなく、この『地域』そのものです。週末のお出かけついででも構いません。ぜひ一度、お子さんと一緒にふらっと駄菓子を買いに遊びに来てくださいね。スタッフみんなで、お待ちしています!」

取材を終えて

変化の目まぐるしい双葉郡。ゼロからのコミュニティづくりが進むこの地域で、こどもたちを地域全体で温かく見守ろうとする「なみとも」の皆さんの熱い想いを感じる取材となりました。地域の大人の優しい眼差しが交差するこの場所へ、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

施設情報

施設名駄菓子andこどもの居場所 BASEマチナカ
住所福島県双葉郡浪江町権現堂新町28-1(JR浪江駅から徒歩約10分)
対象浪江町や近隣地域のこどもたちや10代の若者
※不登校気味のこどもたちもお気軽に
利用料無料(※駄菓子は有料です)
営業日・時間日曜 10:00~17:00
月曜 9:30~18:00
金曜 9:30~20:00
(18時以降は小学生以下は退館いただきます)
※夏休み中は10:00~17:00(2026年7月末現在)
運営団体任意団体 なみとも
HP・SNSHP:https://namitomo.org/base-machinaka/
SNS:https://www.instagram.com/namie_base.machinaka/

※お出かけの前に

営業時間や定休日は変更になる場合があります。最新情報は運営団体のSNS等をご確認ください。


文:コトハナ編集部

写真:なみとも提供