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「とみおかこども食堂」への伴走支援レポート

避難指示解除から時間が経ち、少しずつにぎわいを取り戻しつつある富岡町。この町には、親子の笑顔とおいしい香りが集まる大切な場所があります。それが「とみおかこども食堂」です。
コトハナは半年間にわたり、計3回の対話を通じた「伴走支援」をさせていただきました。今回は、コトハナの事業のひとつにある「居場所づくり支援」の現場から、目に見えにくいけれど確かな「チームのあゆみ」をレポートします。

とみおかこども食堂とは?

とみおかこども食堂のようす(提供:とみおかこども食堂実行委員会)

「とみおかこども食堂」は、富岡町内の子育て世帯や地域の方々が集まり、多世代で食卓を囲める温かな場所です。こどもたちを中心に、こどもが大きくなり手を離れた人、単身の方も集まり、地域の交流の場となっています。2020年11月に活動をスタートし、今年で丸5年を迎えました。

活動が地域に愛され、たくさんの笑顔が集まるようになったからこそ、運営メンバーの間には「これからもずっと、この場所をみんなで大切に育んでいきたい」という真っ直ぐな想いが芽生えていました。その想いをより健やかに、そして持続可能なものにするための「土台づくり」として、今回の伴走支援が始まりました。

【第1回】「とみこど」がこれから目指す方向をみんなで考える3時間

半年間にわたる伴走のキックオフとなった第1回目。まずは、とみおかこども食堂の「なりたち」や「目的」を改めて振り返ることから始めました。

日々忙しく運営していると、つい「当日の段取り」や「目の前の作業」に意識が向きがちですが、この日は少し立ち止まって、メンバーの一人ひとりが「どんな思いを大切に、なぜこの活動に関わっているのか」を言葉にしました。

「この活動を通じて、こどもたちの成長を見られるのが嬉しい」「子育てしていなくてもこどもたちとつながることができて楽しい」など、 個人の想いをテーブルに広げ、丁寧に重ね合わせます。とみおかこども食堂が目指すべき姿を再び鮮明にするこの時間は、単なる確認作業ではなく、チームが再びひとつになるための大切な時間でもありました。この「根っこ」を固める作業が、その後の具体的な話し合いを支える力強い土台となりました。

【第2回・第3回】「KPT」で現在地を整理し、ネクストステップを描く

後半の2回は、現場の工夫を具体化するために「KPT(ケプト)」という手法を取り入れました。

KPTとは?

  • Try:次に試してみたい、小さなチャレンジ
  • Keep:良かったこと、これからも続けていきたいこと
  • Problem:課題や、みんなで考えたい「困りごと・モヤモヤ」

回を重ねるごとに、対話はより深いものになっていきました。「このメニューの時は、こどもたちがすごく喜んでくれた(Keep)」「とみこど全体の会計作業が滞ってしまうことがある(Problem)」。

課題を誰かの責任にするのではなく、みんなで眺める「Problem」としてテーブルに乗せる。それだけで、チームの空気はぐっと前向きになります。

特に活発だったのは、リーダーが担っていた役割の棚卸しです。事務作業から地域の方々との関係づくりまで、これまでの動きを可視化したことで、「これなら私が手伝えます」「この部分は私が得意です」というメンバーからの自発的な声が次々と生まれました。リーダーの「頑張り」をチームの「共有の財産」に変えていくプロセスは、よりゆとりを持って活動を続けるための大きな一歩となりました。

地域との「丁寧な関係性づくり」を考える

また、議論は組織の内部だけにとどまりませんでした。こどもたちや、運営を支えるサポーターの方々、地域の方々と、どう丁寧な関係を築いていけるかという点についても、多くの意見が交わされました。

「応援してくれる皆さんとも丁寧に関わっていきたい」「こどもたちの声を聴くにはどうするといいだろう」

単なる「作業の整理」ではなく、地域に応援される居場所であり続けるための「関係づくりのあり方」。メンバー全員で考える時間をしっかり持てたことで、とみおかこども食堂と地域の結びつきがよりしなやかなものになったと感じています。

伴走を終えて、コトハナが大切にしたいこと

半年間の伴走を終え、とみおかこども食堂のメンバー同士、いい意味で遠慮せず、日ごろ感じていることを伝えあえる関係性が深まったように感じました。コトハナも地域でともに活動する仲間として、一緒に悩み、声を拾うお手伝いをさせていただくことで、新発見や学ぶことも多くありました。とみおかこども食堂の新しい一歩を、これからもコトハナは応援していきます。


文:コトハナ編集部

写真:コトハナ編集部、とみおかこども食堂実行委員会