【レポート】『とみおかお絵かき大作戦!!』を開催しました
「自分色って、どんな色?」こんなテーマをもとに『音カフェ721』を舞台にした、子どもたちと大学生によるお絵かきイベントを富岡町にて開催しました。
『音カフェ721』は、2021年7月に広島県から移住して来られたご夫婦が営むカフェ。マスターの『ぼくさん』から「カフェスペースから見える庭の塀を明るくしたい!」という希望があり、今回の企画が実現しました。カフェの名の通り、店内はジャズが流れる落ち着いた雰囲気で、ランチやドリンクを楽しみながら、ピアノやギターを演奏することもできます。
今回の企画は、東北芸術工科大学4年生の日向志帆さんを中心に、同大学学生有志協力のもと、コトハナとともに開催いたしました。カフェスペースから見える庭の塀を子どもたちに自由に彩ってもらおう!というイベントです。
日向志帆さんは6月~12月のあいだ富岡町に滞在し、アートを通じた地域とのつながり・子どもの表現教育に関わる卒業研究を行っています。とみおかお絵かき大作戦をはじめ、コトハナを通じて子どもたちや子育て世帯にも積極的に関わっていただいています。
さあ、どんな壁が出来あがったのでしょうか?イベントの様子をお届けいたします。
まずは参加者の緊張をほぐしていくために、レクリエーションを行いました。体を使ってじゃんけんをしたり、表情当てゲームをしたり。
グループを組んでお互いの自己紹介をしたり、大学生たちの陽気な声色に、子どもたちの表情もどんどん柔らかくなっていきます。
たくさん動いて体があたたまったら、壁画に挑戦する下準備。まずは出されたお題に沿って、配られた画用紙に色を広げていきます。お題は「おこったときの自分の色は?」「学校にいるときの自分はどんな色?」などで、初めはどう描けばいいか悩む子どもたちの姿もありましたが、大学生に「どんな時に怒ってしまうの?」などと問われることによってそれぞれ表現していくことができました。「こんな時、自分はどんな色をしているんだろう…?」そんな自分の頭の中にあるイメージをキャンバスに引き出していく練習はバッチリです。
さぁいよいよ壁画に挑戦!ここからは自由に壁面お絵かきを楽しんでいくのですが、初めて向かう巨大なキャンバスに少し戸惑っている様子も…?そんな子どもたちに「好きなようにやっていいんだよ!」と教えるように、大学生たちが自ら楽しんで軽快に絵の具をのせていきます。子どもたちもその様子につられて、どんどん筆を動かしていくようになりました。徐々にダイナミックさも増していって、空いたスペースが次々と絵の具でうまっていきます。
音符記号をかたどったダンボールに絵の具をたっぷりつけて、壁にスタンプ!手のひらにも塗りたくって、これも壁にスタンプ!指を使ってドッド模様をつけていったり、手形を組み合わせてひとつの作品にしたりも!絵の具を塗った手のひらは、まるでカラフルな手袋をしているみたい。
色の作り方にもそれぞれ特徴があって、パレットで事前に調色する子もいれば、ダイレクトに壁に絵の具を出して、その場で色を作ったりする子もいました。直接壁で調色すると、きれいなグラデーションができてとても魅力的な色に!
絵の具が広がった手のひらでハイタッチすると、またそこで新しい色がうまれます。楽しくなってくると壁だけでは満足できない!顔や服にもペイントして、みんなで顔を見合わせて笑い合う光景も。キャンバスは無限ですね。
灰色一色だったコンクリートの壁が、どんどんたくさんの色とイラストでうめられていって、最後はとても賑わいを感じる、カラフルな壁に生まれ変わりました!
参加した子どもたちは「とても楽しかった」「普段できないことが体験できてよかった」「絵を描くのが好きなので参加できてよかった」と嬉しい声をきかせてくれました。
一度描き終わって室内に入っても「やっぱりまだ描きたい!」とお絵かきに戻ったり、時間いっぱいまで筆を持って壁に向かっていた子が多かったのは、たくさん楽しいと感じてくれたからでしょうか。
自分のお絵かきが終わっても、他の子の作品を見ると影響を受けてまた描きたくなる!そういったわくわくの連鎖があるのは、みんなでひとつのキャンバスを仕上げていくことならではの醍醐味ですね。完成した時の喜びもいつも以上に大きそうです。
今回の作品は『音カフェ721』さんの店内から見ることができますので、富岡町にお越しの際は、ぜひ立ち寄って子どもたちの絵を見てみてくださいね。子どもたちと描きあげた「みんな色」の壁を楽しみながらゆっくりとした時間を過ごせることと思っています。
音カフェ721
住所:〒979-1112 富岡町中央1丁目80
営業時間:11:30~21:00
定休日:毎週月・火曜日
文 コトハナ編集部
写真 日野 涼音