公開日:2025-03-31 最終更新日:2025-03-31

子育て中の“もしも”や“困った” 双葉郡でも利用ができる「ファミリーサポート」「緊急サポートセンター」

子育てをしている中で、誰かの手を借りたいと思ったことはありませんか?

日常的なお手伝いや、急な事態への助けなど、誰かのサポートを必要とした時に利用できる「ファミリーサポート」「緊急サポート」制度があるのをご存じでしょうか。

ファミリーサポート

事前に協力会員と顔合わせを行い、打ち合わせした内容に沿ってサポートを行う育児支援制度です。「子どもの定期的な一時預かりや送迎」など、事前に予定が決まっている、元気なお子さんの預かりや送迎が基本です。

双葉郡で利用できるファミリーサポート制度のご紹介はこちら

緊急サポート

急を要する預かり、病気や病気が治りかけのお子さんの預かりや送迎に対応するサポート制度です。

「急な残業や出張などの時に子どものお世話をお願いしたい」「発病児のお迎えに代わりに行ってほしい」など、急なサポートを必要とした時に利用ができます。

いわき緊急サポートセンターのご紹介はこちら

どちらもお子さんのお預かりをサポートするものですが、予定や緊急性などにより使いどころが異なります。

ファミリーサポート制度は、双葉郡内でも、2022年から一部町村で運用が始まっています。(2025年1月現在、川内村・楢葉町・富岡町)

加えて、『いわき緊急サポートセンター』(いわき市)のサービスを、双葉郡(*南双の一部地域)でも利用することが可能です。

しかし、サービスがあることは知っていても、実際に利用することにハードルを感じる方もいるのでは?

そこでこの記事では、保護者の急な用事の際に『いわき緊急サポートセンター』のサービスを利用した 富岡町在住のSさん、川内村在住のMさんに、お話しをうかがいました。
おふたりの体験談をぜひ参考にしてみてください。

─『いわき緊急サポートセンター』を利用するためには、事前の面談と会員登録が必要でしたね。登録しようと思ったきっかけを教えてください。

Sさん 私たち夫婦はともに県外出身で、富岡町に移住してから、いざという時に預かってもらえる場所をもっておきたいとずっと思っていました。第二子が産まれ、ますますその気持ちが強くなりました。当時は”いざという時の保険”という意味合いで考えていました。

お友だちから、「富岡町でも利用できるらしい」と聞いて、問い合わせしたのがきっかけです。

Mさん 私は子どもたちを遊ばせるために近所の集会所へ行った時に、たまたまいわき緊急サポートセンターのスタッフさんが事業の説明に来ていて、そこで知りました。

――これまでどんな時に緊急サポートを利用しましたか?

Sさん 私が親知らずの抜歯手術をすることになり、それに伴う事前健診を指定日に必ず受けなければならなかったんです。しかし健診前日に息子が発熱してしまって急遽自宅保育となり、健診の間、半日見ていただくことになりました。

Mさん 土日出勤で、私の両親に子どもを預ける都合がどうしてもつかない時に、預かりを利用しました。

―スタッフとの事前の顔合わせ、打ち合わせなどはありましたか?その際、どのような内容を話しましたか?

Sさん 登録時に、1時間弱の面談がありました。子どもたちの遊ぶ様子を見ていただきながら、簡単な登録シートに子どもの特性を記入し、その内容に沿って質問を受ける形でした。内容は一般的な「好きな物や性格、アレルギーの有無」など。いわき緊急サポートセンターさんは、病児保育や病院の代理受診も行っているので、かかりつけ医についても聞かれました。

Mさん 初めての顔合わせは、預ける日の1週間ほど前でした。職場の近くまで来てくださり、子どもたちの様子や預かる日時などを確認しました。預かる日の過ごし方を事前に決めてくださり、おやつ代や交通費など気になることも何でも教えて下さいました。

食物アレルギーや体質のことで不安もありましたが、看護師資格を持つ方が預かりを担当してくださったこともあり、安心して預けることが出来ました。

―事前に子どもに関する情報を共有しておくことで不安なく預けることができたんですね。利用当日のお子さんの様子はどうでしたか?

Sさん 預けた時の年齢が1歳半で、はじめは泣いて嫌がっていたのですが、「私(お母さん)がいなくなると意外とすんなりあきらめて遊んでくれた」そうです。お気に入りのCDと絵本を見せたりして、少しずつご機嫌を取ってくださったそうです。

Mさん 5歳と4歳の子なのですが、毎回楽しい所に連れていってくださったり、美味しいおにぎりを握ってくださったりするので、「帰りたくない!まだ居たい!また来る!」と、いつも子どもたちにせがまれるくらい楽しく過ごせているようです。

―その子に合った時間の過ごし方をしてくれるんですね。利用当日の流れを教えてください。

Sさん 我が家の場合は、自宅での預かりをお願いしました。朝9時には自宅を出発したかったので、8時45分頃から来ていただきました。そこで簡単に引き継ぎ。『準備してほしい物』は事前に渡されたプリントを見て用意して、ひとまとめにしてお渡ししました。(飲み物やおむつ、お菓子など)。結構、あっさり出発できましたね…笑

Mさん 職場近くの公共施設で待ち合わせをし、そこで子どもの預かりを担当してくれるスタッフさんに引き渡しました。そのあとはいわき緊急サポートセンターさんの支援拠点施設に移動して、そこで昼食を食べさせてもらい、夕方待ち合わせした場所で子どもをお迎えしました。

―実際に利用してみて感じたことを教えてください。

Sさん いわき緊急サポートセンターさんでは、利用後に記録簿を親に共有してくださるのですが、本当に事細かに子どもの様子を記録してくださり、それがとても安心材料になりました。何時にジュースを飲んだとか、いつ頃から機嫌が直ってきたとか、どんな話をしたとか、細かく記載されていました。

それと熱を出したのが前日で、ダメもとでお電話したのですが「いいですよ」「子どもの微熱は朝になってなんでもなかったように治る場合もあるから、早朝6時までに決めてもらえばいいですから」と言われてすこぶる驚きました。状況によっては難しい場合もあるかもしれませんが、ありがたいことこの上なかったです…。本当に、保護者の立場に寄り添ってくださっていることが伝わりました。

Mさん 預かってもらえる人がいなくてどうしようと困惑している時に、「大丈夫、任せて!」と言ってくれる人がいるのは、本当に心強く、精神的にも救われました。

子どもたちが親と離れる寂しさに気を配ってくださったり、1日が楽しくあっという間に過ぎるようなスケジュールを組んでくださっただけでなく、最後は子どものこれからの成長についてアドバイスも頂き、ママの大変さも分かって気遣ってくださったことに、本当に「利用して良かった」という思いと感謝しかありません。

―これから利用を検討してる方へのアドバイスがあれば教えてください。

Sさん 我が家は実家が遠いので、いざという時に緊急で頼れる場がありません。友人は沢山いますが、正直突然「預かってもらっていい!?」と言うのはとても勇気がいります。しかも幼児2人となるとますますハードルが高くて…。

申し込みから会員登録に至るまでは時間がかかるので、早めに登録しておくといいかもしれません。年会費は2,000円です。預ける可能性が低くても、本当に保険の意味で登録しておくととても安心です。

Mさん 子育ては楽しいことばかりではなく、大変なことも多いと思います。子どもが小さいうちならなおさら、ママと離れ離れにすることに抵抗を感じる保護者もいらっしゃるかと思います。ですが、私はいわき緊急サポートセンターを利用してみて、我が子が毎回沢山の人やお友だちと触れ合い、ちょっとだけ大きくなって帰ってくることが、本当に嬉しくありがたく思いました。

子どもは私(お母さん)でなくても、預かりを担当してくださるスタッフさんとたくさん話すことで、たくさん吸収して、たくさん楽しい思い出を作ってくることができる。そのことに気づくことができ、休みの日に一緒にいられない罪悪感も、スタッフの方たちの心遣いで軽くなり、救われた気がしました。どうにもならない困ったときは、地域の子育てサポート制度に頼ることも、子どものため、そして自分のためになるんだなと身に染みて感じました。

写真はイメージです

いかがでしたでしょうか?

実際に利用されたおふたりにインタビューをしていく中で、子どもと保護者の心に寄り添うサポートに、嬉しさを感じている様子が伝わってきました。

ファミリーサポート・緊急サポートは、地域の中で「子育てのお手伝いをしてほしい人(依頼会員)」と「子育てのお手伝いをしたい人(提供・協力会員)」がいて成り立つ子育て支援制度です。

“子どもも成長して、空いている時間を有効に使いたい” “子育てしている人の援助をしたい”など、提供会員として活動することで子育て応援をしていくサポートの形があります。

双葉郡での暮らしを振り返った時、「ここで子育てしてよかった」「ここで子ども時代を過ごせてよかった」そう感じる人があふれるように、子育て世帯を支える手が地域の中で増えていくことを期待したいです。

子育て中のいざという時の助けになるように、心の余裕につながるように、自分のニーズに合った地域の助け合いの制度をうまく利用してみてはいかがでしょうか?

文・写真 コトハナ編集部

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